お役立ちコラム
軽鉄工事って何?工事の流れやメリットを徹底解説
時代とともに建築方法や技術も変化して、現在では軽鉄工事が一般住宅にも普及しています。
ここでは、軽鉄工事が何か知らない方にも、それがどういうものなのか分かりやすく解説します。
併せて、軽鉄工事の流れやメリットについても詳しく調査し紹介しますので、ぜひ最後までお付き合いください。
目次
軽鉄工事とは
軽鉄工事とは、住宅や事務所や店舗などの建物の壁や天井などの骨組みをつくる工事のこと。
軽天工事とも呼ばれています。
一昔前までは、ほとんどの建物の骨組みには木材が使用されていました。
しかし今では、一般住宅でも鉄製の材料を使用するケースが増えています。
軽鉄工事では、その名の通りに軽量の鉄骨材を骨組みに用いています。
木材よりも鉄骨を使用した方が火災にも強く、木材と比べて加工が容易なことから、工期の短縮を図ることも可能となっています。
軽鉄工事に使用される鉄板は、厚み0.5mm程度と非常に薄く、天井材には最適となっています。
店舗などでは、骨組みである鉄骨をそのままむき出しにする場合もありますが、内装工事の基礎となる軽鉄工事は、天井や壁の骨組みに石膏ボードとクロスを貼って仕上げます。
そのため、建築過程を確認していない限りは、木材を使用した工事と軽鉄工事の区別を素人が見た目だけで判断することはできません。
軽鉄工事の流れ
軽鉄工事は、建物の壁や天井の土台をつくる工事ですが、その手順を壁と天井に分けて紹介します。
壁の軽鉄工事の手順
壁や間仕切りの軽鉄工事の流れは、天井の工事よりもシンプルとなっています。
まずは、壁や間仕切りの仕上がりの位置に合わせて、ランナーを取り付けます。
ランナーというのは、鋼鉄をはめ込むのに必要なレールだと考えてください。
ランナーの取り付けが完了したら、次にスタッドという部材を付けていきます。
スタッドは、壁の土台となる鋼材で、前に取り付けたランナーに必要な長さに切断し、はめ込みます。
天井の軽鉄工事の手順
天井の軽鉄工事では、天井のコンクリートの躯体に一定の間隔でドリルを使って穴を掘ります。
次に、その穴にアンカーを打ち込みますが、打ち込みをしっかり行わないと脱落の恐れがあるため、慎重に施行をしなければいけません。
打ち込んだアンカーの雌ネジに、つりボルトを取り付けします。
つりボルトは長いボルト棒であり、一般的にはおよそ9.5mm径で長さが3/8インチですが、それよりも太くて長さもあるボルトが使用されることもあります。
つりボルトの先端に、天井材の基礎となる鋼材のハンガーを取り付け、そこに長い鋼材を取り付けて、その下に別の鋼材を格子状にビス留めします。
最終的には石膏ボードを格子状になった鋼材にビス留めして、クロスなどで仕上げれば完了です。
軽鉄工事のメリット
軽鉄工事は、従来の木造を使用した工事よりも優れた点が多く、ここでは4つのメリットを紹介します。
火災に強い
木材と比較すると、鋼材を使用する軽鉄工事は、難燃性に優れているという大きなメリットをもっています。
特に、飲食店などの火を取り扱う建物には最適で、最近では火災に強いことから一般住宅にも好んで取り入れられています。
軽鉄工事をした後に壁や天井の下地材に使用する石膏ボードも、耐火性や防火性に優れているため、火災が発生しても温度の上昇を遅らせて、延焼を予防することができます。
耐久性が高く狂いも起こりにくい
木材と比較して鋼材は耐久性が高く、狂いも起こりにくいメリットがあります。
天然素材の木材にも、自然や暖かみを感じられるなどの利点がありますが、どうしても湿気や乾燥などの影響を受けやすいデメリットがあります。
木材は、施工時は真っすぐで狂いが生じていなくても、年月の経過と共に反りや曲がりが起きる可能性が高いです。
さらに、腐食や虫食いの心配もあって、シロアリの餌食になってしまうと、建替えが必要になってしまう可能性もあります。
鋼材が劣化しないわけではありませんが、虫食いの心配はなく、極端なゆがみが出る心配もありません。
工期を短縮できる
「木材の方が加工もしやすいのでは?」と思われる方も少なくないと思いますが、軽鉄は軽くとても加工しやすい点も大きなメリットです。
また、木材はいろいろな部材を組み合わせる必要があるのに対して、軽鉄はあらかじめ形状が分かれば一体にして加工することが可能となっています。
軽鉄の加工性の良さは工期の短縮にもつながり、木材を使用するよりも実際に短期間で工事を終えることができます。
価格を抑えられる
工期を短縮できれば、人件費も抑えられるので、工事費を大幅に削減することができます。
木材にもいろいろな種類があって、単価が安い材料もありますが、鋼材よりも価格の上下が激しく、高級木材になるとかなりの価格となってしまいます。
その点、鋼材は工場で大量生産できて供給も安定していることから、木材よりも安く仕入れることができます。
さらに鋼材は木材と比べて、建替えやリフォームの際に廃棄される可能性も低いため、実は環境にも優しい材料として重宝されています。
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